転職活動前に知っておくべき看護師需要の現状
「早く残業のない職場に転職したい！」と逸る気持ちもわかりますが、まずは現在の看護師転職市場について、少しだけ理解を深めておきましょう。
変に不安を煽るつもりはないので最初に言っておくと、残業なし・残業少ない職場への転職は、決して難しいものではありません。看護師が不足している現状や、働き方そのものの多様化により、看護師の働き方は以前と比べてプライベートを重要視されるようになってきているのです。
ただし、だからといって残業がない職場への転職が簡単というわけではありません。相対的に見れば、やはり残業が必要な職場が多い事もまた事実です。転職したものの「結局また残業三昧か…」といったことにならないようにするためには、看護師転職市場の現状や今後について、正しい情報を把握することが大切になってきます。
納得した転職をするためにも、ざっくりとで構いませんので、今の看護師需要の状況について知っておきましょう。
看護師が人気の理由「やりがいがある仕事だから」
皆さんは看護師になることをいつ頃決意したのでしょうか？中には子供の頃からの夢だったという方もいらっしゃるでしょう。看護師の仕事は今も昔も、子供たちの憧れの職業と言われます。また、女の子の子供をもつ親たちも、「自分の子供になって欲しい職業は何か？」というアンケートに、看護師と回答する方が多いのです。
看護師が人気の職業である理由には、「やりがいがある仕事だから」というのが常に上位にランクインします。自分の手で人の命を救うことができるというのは、子供ながらにも仕事の重みを感じているのでしょう。
人気職種なのに、なぜ看護師は不足している？
看護師が人気の職業であることは今も昔も変わりません。しかし、病院などでは看護師の人手は慢性的に不足しています。その理由は次のように考えられます。
- 日本の高齢化によって患者数が増えている。
- 退職率が依然として高い。
- 一度離職すると現場復帰が難しい。
今の日本の年齢分布は高齢層が大きく膨らんでいます。いわゆる“高齢（化）社会”というやつです。高齢化よって看護が必要となるような患者さんの数は増加傾向です。そのため、看護師の絶対数には大きな変化はないのですが、相対的に看護師の数が不足する現象がおきています。
また、高齢社が増えたことによって訪問介護や老人ホームなどのサービス市場も拡大しています。それらのサービスに従事できる看護師の需要が高まっていることも、看護師不足の一因となっています。
日勤専従や残業なしといった働き方が増えているとはいえ、まだまだそのような働き方ができる職場は相対的に少ないです。また、看護師の仕事はただでさえ身心ともに負担の大きい仕事ですから、それに耐えきれずに退職してしまう看護師もやはり多いのです。看護師が一人辞めてしまうと、残った看護師たちにかかる負担は必然的に大きくなります。その負担に耐え切れずまた退職者が出て…、という悪循環が起こっている病院も少なくありません。
看護師の仕事はハードワークがゆえに、体を壊して辞めてしまう看護師も少なくありません。また、女性が多い職種ですから、妊娠・出産を機に現場を離れる看護師もいます。療養や育児によって一度看護現場を離れてしまうと、もう一度看護師として復帰するのが難しい現状があることも、看護師不足に拍車をかけています。復帰明けの看護師がいきなり常勤で働くのは体への負担が大きいですし、育児をしながら夜勤や残業をこなすことは難しいです。また、看護技術も近年は目覚ましい速さで変化しているため、一度看護師が現場を離れてしまうと、復帰することへの心理的ハードルは非常に高くなるのです。
看護師転職サイトで“転職市場の今”を知る。
前述のように、看護師は慢性的な人手不足の状況にあるので、転職が難しいということは基本的にはありません。病院などの医療機関も、看護師不足を解消しようと勤務形態の多様化を進めているため、残業なし・残業少ない職場というのも今後はますます増えてくるでしょう。
しかし、えてして転職というのは、売り手市場の傾向が強すぎても、不本意な転職を招きやすいのです。採用側は人材が欲しいために高待遇の条件を提示してきます。そして転職希望者はそれに目がくらみ、十分な吟味もせずに転職を決めてしまうからです。
看護師の転職市場も今まさにその危険性がある状況といえます。例えば「残業なし・残業少なめ」という勤務条件だけで転職を決めた結果、給与待遇が実は割安だったり、職場環境に問題があったといケースも実際に出てきています。
「残業なし・残業少なめ」の職場へ転職を決めたものの、他条件に問題があり、時間の制限が増えたり身心への負担が大きくなってしまってはなんの意味もありません。そういった事態を防ぐためにも、現在の看護師転職市場についての情報収集は不可欠といえます。「どのような求人が一番残業が少ないか」「止めておいた方がいい求人の傾向は」といった情報は、転職のプロである看護師転職サイトに豊富かつ最新の状態で収集されています。失敗しない転職をするためには、看護師転職サイトに一度相談してみるのがオススメです。